コーヒー豆の精製とは?① 〜美味しいコーヒーを作るための大切な工程〜

皆さんが毎日楽しむコーヒー。

その味わいを決定づける重要な要素の一つが「精製」という工程です。スペシャルティコーヒーの説明をする際、この精製について語らざるを得ません。お客様からも精製とは?と質問を受けることもあります。

こんにちは! 千葉、東京などを中心にバリスタをしている詩遥(うたは)です!

今回はコーヒーの品質と味わいを左右する精製について詳しく説明していきます。

なぜ精製が必要なのか?

コーヒーの実(コーヒーチェリー)は、見た目はさくらんぼのような赤い果実です。この果実の中心に私たちがよく知る「コーヒー豆」が2つ入っています。

コーヒーチェリーの構造を知ろう

コーヒーチェリーは、外側から以下のような層で構成されています。

  1. 果肉(外果皮):赤や黄色の表皮で覆われた部分
  2. パルプ:果肉の内側の柔らかい部分
  3. ミューシレージ:豆を包む粘液質の層
  4. パーチメント:豆を保護する硬い殻
  5. シルバースキン:豆の表面を覆う薄い膜
  6. 生豆:私たちが「コーヒー豆」と呼ぶ部分

これらの層をどのように除去していくのかが、精製方法の違いとなります。

精製の目的

では、なぜただ乾燥させるだけではダメなのか?

コーヒーチェリーをそのまま乾燥させて豆を取り出すことは出来ますが、品質を安定させ、素晴らしい味わいを引き出すために、精製という工程が必要不可欠なのです。

精製には以下のような重要な目的があります。

  1. 生豆の取り出し
    • 果肉や果皮の除去
    • 不要な部分の分離
  2. 品質の安定化
    • 水分量の適正化
    • 雑味の除去
    • 均一な品質の確保
  3. 味わいの向上
    • 甘みの増強
    • クリーンな味わいの実現
    • 個性的な風味の付与
  4. 保存性の向上
    • カビの発生防止
    • 適切な水分量への調整
    • 長期保存への対応

主な精製方法

コーヒー豆の精製はいくつかの方法があり、それぞれ地域や農園、品種などにより異なる精製方法がされています。

  • ナチュラル精製(自然乾燥)
    • 最も伝統的な方法
    • 果実ごと乾燥させる
    • 甘く濃厚な味わい
  • ウォッシュド精製(水洗式)
    • 果肉を完全に除去
    • 水を使用して丁寧に処理
    • クリーンな味わい
  • ハニー精製(パルプドナチュラル)
    • 果肉を部分的に残す
    • 中間的な処理方法
    • バランスの取れた味わい
  • その他の新しい精製方法
    • アナエロビック発酵
    • カーボニック・マセレーション など、新しい方法も続々と開発されています。

精製には様々な要素で決まる

生産者は様々な要素を考慮して精製方法を選択します。

  • 気候条件
    • 降水量
    • 気温
    • 湿度
  • 設備の有無
    • 水の確保
    • 乾燥設備
    • 保管設備
  • 目指す味わい
    • 産地の特徴
    • 豆の品質
    • 市場のニーズ
  • 環境への配慮
    • すいしげんの使用量
    • 廃棄物の処理
    • 持続可能性

まとめ

精製工程は、コーヒーの品質と味わいを決定づける重要な要素です。生産者たちは、その土地の環境や設備、その土地の環境や設備、目指す味わいに応じて最適な精製方法を選択しています。

次回は、最も伝統的な精製方法である「ナチュラル精製」について、詳しくご紹介していきます。果実の甘みを最大限に引き出すこの製法の魅力を、ぜひお楽しみに。

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